今日は豚骨ラーメンに特化した専用の『とんこつ塩ダレ』の作り方について説明していきます。
主に”豚ガラ”のみで作られるとんこつラーメン。プラスされるとしても少しの野菜やお店によって鶏ガラ。いずれにせよ、トンコツスープはほぼ豚のイノシン酸のうま味で成り立っています。
ラーメンのたれシリーズ第4弾となる今回の”豚骨専用塩たれ。それぞれ試行錯誤して作り上げたレシピですのでぜひご活用いただければうれしい限りです(^^♪
タレ全般に言えることですが、僕の作るレシピは無駄な食材は組みいれない、流用性のある万能ダレを作るをモットーにレシピつくりに励んでいます。
それでは、さっそく『とんこつ専用の塩だれ』のレシピについてお伝えしていきます。
🍜とんこつ塩タレの作り方・これだけは押さえたい3つのポイント
すこし特徴的な『とんこつ専用塩ダレ』を作っていくうえでのポイントを3つにまとめてみました。
Point①: 魚のうま味の宝庫○○をメインに
Point②: にんにくの風味付けで味に奥行きを与える
Point③: 塩ダレとはいいつつ塩は入っていません!
Point①:魚のうま味の宝庫である『魚醤』を使います
👉📽YouTube 01:38~
タイ国を筆頭に東南アジアで主に使われる醤油”ナムプラー(魚醤)”を使います。
魚醤の主なうま味成分は”グルタミン酸”、対して豚骨スープは豚のイノシン酸。この二つの融合はいうまでもなく相性バッチリです。
💡参考にしました:魚醤の成分|味の素食の文化センター
Point②:豚骨ラーメン=にんにく必須です
👉📽YouTube 02:38~
みなさん、にんにくにはうま味成分がたっぷり入っているのをご存じでしょうか?
その含有量はなんと牡蠣やムール貝とほぼ同量のグルタミン酸が含まれています。
💡参考にしました:食材別うま味情報|特定非営利活動法人うま味インフォメーションセンター
このタレにはニンニクのほのかな香りとうま味成分のみタレに移したいので、横に半割りして火を入れていきます。
皮をむいてカットせず丸のままだとうま味が抽出できません。また、すりおろしてしまうとニンニクが強く出すぎてスープとのバランスが悪くなりますので注意です。
にんにくのうまみを引き出すにはタレを一度沸騰させ10分だけ煮る必要があります。
【#008】塩だれの作り方でも同じことを伝えましたが、煮込むことでタレの水分が飛んでしまい塩分濃度が濃くなってしまうことを防ぐためごくごく弱火で煮込んでください。
沸騰してるかしてないか微妙なライン、たまにタレの水面がポコッとなる程度で充分です。
ここでもやっぱりグルタミン酸ととイノシン酸ですね( *´艸`)
Point③:塩だれなのに”塩”はいれません
👉📽YouTube 00:54~
『とんこつ塩だれ』とネーミングしていますが、結晶体としての塩化ナトリウムは入っていません。
豚骨スープはあの白さが命なので、タレにももちろん色がついてはいけません。そこで登場するのが”うすくち醤油”です。色は薄いが塩分濃度は濃口醤油より高く、しっかりと塩味をを付加してくれます。
『魚醤(ナムプラー)+薄口醤油』が今回のタレの本質です。
👇さっそく動画にてチェック!
🍜とんこつ塩タレの作り方・まずは動画でチェック!
『豚骨専用しおたれ』の作り方をYouTubeで動画をアップしていますのでチェック👍
魚醤をメインにすることがポイント
今回は魚醤を主軸に使うことで、イノシン酸メインの豚骨スープのうま味を引き出す『豚骨専用ダレ』を作りました(´ω`*)↓
とんこつ塩タレの作り方・時系列
おおまかな手順にはなりますが、基本的には以下の通りで進めていきます。
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STEP1準備①材料と調味料の準備(🎈📽YouTube 00:48~)
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STEP2調理①材料を全部鍋に入れ火にかける(🎈📽YouTube 03:12~)
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STEP3調理②鍋を火にかけ一度沸騰させる ※吹きこぼれ注意!!(🎈📽YouTube 03:40~)
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STEP4調理③火を弱火にして10分煮る。動画にある通り、ほんの少しフツフツいう程度のとろ火で煮込んでください(🎈📽YouTube 04:18~)
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STEP5調理④火を止めて、冷ましながら味を滲みこませる(🎈📽YouTube 04:32~)
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STEP6調理⑤しっかりと冷めたことを確認してから漉す(🎈📽YouTube 04:44~)
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STEP7仕上げ完成です!!(🎈📽YouTube 05:14~)
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ENDおまけ動画【2倍速】豚骨ラーメンの作り方の動画です(^^♪(🎈📽YouTube 05:39~)
🍜とんこつ塩タレの作り方・材料の準備
僕の作る『とんこつ専用塩ダレ』の材料について、なぜその材料を使っているのか説明していきます。
僕個人的な大切な考え方なのですが、主軸としての材料となるもの、副次的に主を支えるもの、最後に奥行として味全体を支えるものという考えで味を作っています。
今回の『とんこつ専用塩ダレ』でいえば、主=魚醤、副=丸のニンニクの半割り多め、奥=うすくち醤油・昆布・みりん風調味料・味の素(先頭から重要な順に並べています)
ナムプラーと同量入っている”薄口しょうゆ”も主なうま味成分はグルタミン酸です。ラーメンの定石の『グルタミン酸+イノシン酸』の最強コンビですね(*´ω`*)
たれの材料
🍥タレ(動物系)の材料
- なし
🍥タレ(魚介系)の材料
- 昆布・・・切り昆布3枚程度
🍥タレ(香味野菜類)の材料
- にんにく・・・丸2玉分(半割り)
調味料あれこれ
- ナムプラー(魚醤) ・・・300cc
- ヒガシマルうすくち醤油 ・・・300cc
- ミツカンほんてり(みりん風調味料)・・・100cc
- 味の素(うま味調味料) ・・・20g
その他、必要な食材・材料
- なし
🍜とんこつ塩タレの作り方・まとめ
とんこつ塩だれを作る際に気をつけるポイントは上記で述べました。
注意点を述べるとすると、魚醤の臭いでしょうか(笑)
火を入れていきますと、当たり前ですが沸騰します。その沸騰する際に多少なりとも水分が飛びますが、その時に強烈なにおいが部屋中に広がって充満します( ゚Д゚)
対策としては換気をよくするしかありません!!ちょっと臭いはしますが豚骨ラーメンには必須なのでうまく対処して作りましょう(^-^;
各種たれによって仕込み方が異なりますので、もしよければ参考にしてみて下さい。
<<『醤油タレ』でも伝えましたが、大切な考え方なので再度掲載します。>>
ここからは大切なポイントなので少し長くなります。
うま味の種類は主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸、主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸、キノコ類から摂られるグアニル酸、主に貝を主体とするコハク酸などがあり、これらは同時に使用することでうま味の相乗効果が期待できることがわかっています。
この原理でいえば上記①に関しては正解ということになります。しかし、自分で作って気づいたのは、なんでもかんでも足し算すれば美味しくなるわけではないということでした。
ラーメン作りにはまっていたある日のまかないランチの出来事でした。ラーメンスープはしっかり出来たし、タレにもひき肉を入れて仕込んで、さあ今日は今までで最高の一杯が出来た!って思いながらワクワクしていました。ですが、一口食べてみると味に雑味があって美味しくない。つまり、しっかり丁寧に作ったスープが台無しになったんです。うま味の相乗効果はどこ行った?と疑問でした。
まかないを食べ終えて、何が原因なのか考えました。そこで思い出したんです。
著名な料理人の先輩方が『料理は引き算が大切』と言っていたことを。また”一流の料理人”とは食材のうまさを最大限に引き出せる料理人だということを。
そしてぼくは僕なりに結論を出しました。スープでしっかりと食材の味を引き出すことが出来ていれば、あえてタレに旨味を付加する必要なんてない。
今回作ったとんこつ塩タレは、今後たくさん登場しますよー(*´з`)
🍜とんこつ塩タレの作り方・あとがき
トンコツ専用塩だれを作る上で、動画では伝えきれない注意点などを書いてきました。
今後の【とんこつをベースとしたラーメン】には、この『とんこつ専用ダレ』を多用していきます。
魚醤をメインに据えてうすくち醤油でナムプラーの強すぎる香りを緩和、昆布とにんにくで風味を増して仕上げた、グルタミン酸たっぷりの特製『トンコツ塩だれ』はいかがだったでしょうか。
うま味の管理は難しいことも多いですが、旨味の種類をしっかり理解していくとは料理全般の技術の向上に役立ちます。
質問やコメントなどはYouTubeのコメント欄に書いていただければ必ず目を通します。
引き続き、動画だけでは伝えきれない細かなことも書いていきますのでブログに遊びに来てください(*´ω`*)
ぜひ『週末』に『ラーメン』作ってみて下さいね(´ω`*)