今回は、愛知県が発祥で淡い色が特徴の醤油の白しょうゆをメインに使った『白しょうゆタレ』の作り方について説明していきます。
うすくち醤油タレを同じく、色を付けたくないけどうまみ成分はしっかり欲しいといった時に役に立つタレです。
一般的なしょうゆの原料は「大豆50%・小麦50%」ですが、白しょうゆは「大豆1:小麦9」か「大豆2:小麦8」で圧倒的に小麦の割合が多く、小麦は大豆に比べ色が着く原因となる旨味の成分(アミノ酸)の量が少ないので淡い色となります。
ラーメンのたれシリーズ第9弾となりますが、それぞれ試行錯誤して作り上げたレシピです。ぜひご活用いただければうれしい限りです(^^♪
僕の作るレシピは無駄な食材は組みいれない、流用性のある万能ダレを作るをモットーにレシピつくりに励んでいます。
それでは、さっそく『白しょうゆタレ』のレシピについてお伝えしていきます。
🍜白しょうゆタレの作り方・これだけは押さえたい3つのポイント
万能な『白醤油タレ』を作っていくうえでのポイントを3つにまとめてみました。
Point①:白醤油をメイン食材にする
Point②:前日に食材を合わせておく
Point③:各々のうまみの相乗効果を最大限に引き出す
Point①:今回使用したのは「ヤマシンの白醤油」です
👉📽YouTube 00:50~
過去に作ってきた醤油タレのバリエーションには、濃口しょうゆをベースにした【#14】醤油タレ、たまり醤油を混ぜた【#069】濃口醤油タレ、うすくち醬油をベースにした【#075】淡口醬油タレを作ってきましたが、今回は新しい白醤油をベースとしたタレです。
この『白しょうゆタレ』は今後いろいろと使用していく予定ですが、今回このタレの最大使用目的は次回登場する【#100】白醬油ラーメンで使用する目的で作りました。
主に三河地方で作られる白醤油は、糖分が多く小麦粉を主原料とする琥珀色の醤油です。ほかの醤油は色が強く料理に使うと醤油の色に染まりやすいですが、白醤油は色が薄いので素材の色を残しやすいです。
色を付けたくないラーメンに最適なタレとなります。
Point②:前日に材料を合わせておく
👉📽YouTube 00:25~
干し椎茸や昆布は前日に水分に浸けて冷蔵庫でおくと、椎茸のうま味成分が水分へ溶け出しいい出汁がとれます。
ベストな時間は「冷蔵庫の温度はだいたい5℃、時間は約10時間」ということです。
干し椎茸の戻し方比較。水につける時間で戻し汁(出汁)の旨味に違いは出るのか試してみた。
※ただし今回は白醤油など塩分を含んだ水分で戻したので、通常の水で戻したときよりは出汁が弱いです。
うま味を最大限に引き出すには、前日に準備するのは大切ですね。
ただし、浸けることはメリットもデメリットがあり、前日に浸けると椎茸のダシが出すぎて主張が強くなるということにもなります。これは、椎茸のうま味を活かしたい場合には最適ですが、ほかのうま味を侵食してしまうことにもなります。
Point③:うま味の相乗効果とは?
👉📽YouTube 00:00~
うま味といわれる成分は何種類かあり、ラーメン作りで必要なうま味はおおきく4種類です。
・主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸
・主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸
・キノコ類から摂られるグアニル酸
・主に貝を主体とするコハク酸
実はこれはラーメンに限った話ではなく、うま味を重ねることは料理全般に関して言えること。
今回の『白しょうゆダレ』はアサリのコハク酸・干シイタケのグアニル酸・煮干しのイノシン酸・昆布のグルタミン酸に、海の塩のミネラル分、白醤油と日本酒からくる発酵調味料のうま味、熊本の赤酒特有の甘味と風味をプラスします。
👇さっそく動画にてチェック!
🍜白しょうゆタレの作り方・まずはYouTubeでチェック!
あさりと干し椎茸がポイント『白醤油たれ』の作り方をYouTubeで動画をアップしていますのでチェック👍
アサリや煮干しなど魚介のうま味もたっぷりです
今回は白醤油自体はうま味が弱いのでということで、昆布・椎茸にプラスして魚介のうま味もたっぷりな『白醤油たれ』を作りました(´ω`*)↓
白しょうゆタレの作り方・時系列
おおまかな手順にはなりますが、基本的には以下の通りで進めていきます。
-
STEP1準備①材料の準備(🎈📽YouTube 00:24~)
-
STEP2準備②アサリ以外の全材料を鍋に入れ、冷蔵庫で12時間寝かせる(🎈📽YouTube 00:55~)
-
STEP3準備③12時間後、アサリを殻に注意しながら追加する(🎈📽YouTube 01:04~)
-
STEP4調理①鍋を火にかける(🎈📽YouTube 01:39~)
-
STEP5調理②中心まで沸騰したら火を止めて、粗熱をとる(🎈📽YouTube 02:31~)
-
STEP6調理③しっかりと冷めたことを確認してから漉す(🎈📽YouTube 02:37~)
-
STEP7仕上げ完成です!(🎈📽YouTube 03:18~)
-
ENDおまけ【#100】白醬油ラーメンの作り方です(🎈📽YouTube 03:26~)
-
ENDおまけ筍とアサリの炊き込みご飯の作り方です(🎈📽YouTube 03:46~)
🍜白しょうゆタレの作り方・材料の準備
僕の作る『白しょうゆタレ』の材料について、なぜその材料を使っているのか説明していきます。
僕個人的な大切な考え方なのですが、主軸としての材料となるもの、副次的に主を支えるもの、最後に奥行として味全体を支えるものという考えで味を作っています。
今回の『白しょうゆタレ』でいえば、主=白醤油による発酵調味料のうま味、副=干シイタケとアサリのうま味、奥=煮干しと昆布のうま味・海塩のミネラルと日本酒(発酵・甘味)・味の素(先頭から重要な順に並べています)
です。
たれの材料
🍥タレ(動物系)の材料
- なし
🍥タレ(魚介系)の材料
- 冷凍あさり・・・250g
- 煮干し・・・30g
- 昆布・・・5g
🍥タレ(香味野菜類)の材料
- 干しシイタケ・・・5つ
調味料あれこれ
- 白醤油(ヤマシン)・・・500cc
- 海塩・・・5g
- 熊本の赤酒・・・50cc
- 味の素(うま味調味料)・・・10g
その他、必要な食材・材料
- なし
🍜白しょうゆタレの作り方・まとめ
白醤油ダレを作る際に気をつけるポイントは上記で述べました。
タレによっては10分煮たりしますが、今回は前日に水だししているのでいちど沸騰したらOKです。
アサリは冷凍のアサリを使用することも大切なポイントです。
アサリにはうま味成分のグルタミン酸とコハク酸を含んでおり、一度冷凍して細胞を壊すことでアサリの旨味を最大限に活かすことができます。活きたアサリを冷凍して使用する場合は、かならずアサリの砂出しを先に行うことを忘れずにしてくださいね!
今回の『白醤油タレ』で使っている熊本の赤酒は甘みを多分に含んだ料理酒で、みりんを必要としない特殊な日本酒です。普通の日本酒で代用する場合は、20g~30gほど砂糖を足してください。
ここも全部のタレで掲載している部分なのですが、僕のアイデアのコアな部分です。ぜひ読んでみてください↓
<<『醤油タレ』でも伝えましたが、大切な考え方なので再度掲載します。>>
ここからは大切なポイントなので少し長くなります。
うま味の種類は主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸、主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸、キノコ類から摂られるグアニル酸、主に貝を主体とするコハク酸などがあり、これらは同時に使用することでうま味の相乗効果が期待できることがわかっています。
この原理でいえば上記①に関しては正解ということになります。しかし、自分で作って気づいたのは、なんでもかんでも足し算すれば美味しくなるわけではないということでした。
ラーメン作りにはまっていたある日のまかないランチの出来事でした。ラーメンスープはしっかり出来たし、タレにもひき肉を入れて仕込んで、さあ今日は今までで最高の一杯が出来た!って思いながらワクワクしていました。ですが、一口食べてみると味に雑味があって美味しくない。つまり、しっかり丁寧に作ったスープが台無しになったんです。うま味の相乗効果はどこ行った?と疑問でした。
まかないを食べ終えて、何が原因なのか考えました。そこで思い出したんです。
著名な料理人の先輩方が『料理は引き算が大切』と言っていたことを。また”一流の料理人”とは食材のうまさを最大限に引き出せる料理人だということを。
そしてぼくは僕なりに結論を出しました。スープでしっかりと食材の味を引き出すことが出来ていれば、あえてタレに旨味を付加する必要なんてない。
今回作った『白しょうゆタレ』は、今後たくさん登場しますよー(*´з`)
🍜白しょうゆタレの作り方・あとがき
白しょうゆだれを作る上で、動画では伝えきれない注意点などを書いてきました。
このタレは【#100】白醬油ラーメンのために作ったしょうゆタレです。
ですが、汎用性が高いタレを作るのがモットーな僕の『白しょうゆタレ』は、白濁した豚骨ベースのラーメンなどの色を付けたくないけどしっかりとうま味が必要なラーメンにも相性が良いです。
うま味の管理は難しいことも多いですが、旨味の種類をしっかり理解していくとは料理全般の技術の向上に役立ちます。
質問やコメントなどはYouTubeのコメント欄に書いていただければ必ず目を通します。
引き続き、動画だけでは伝えきれない細かなことも書いていきますのでブログに遊びに来てください(*´ω`*)
ぜひ『週末』に『ラーメン』作ってみて下さいね(´ω`*)