今回はどんぶりに濃い黒色が映える『濃口しょうゆタレ』の作り方のについて説明していきます。
たまり醤油を材料の一部に使うことで、その黒味を活かした『醤油たれ』が出来上がります。「濃口しょうゆ」と「たまり醤油」をベースにして、昆布や椎茸の旨味を追加していきます。
ラーメンのたれシリーズ第7弾となりますが、それぞれ試行錯誤して作り上げたレシピです。ぜひご活用いただければうれしい限りです(^^♪
僕の作るレシピは無駄な食材は組みいれない、流用性のある万能ダレを作るをモットーにレシピつくりに励んでいます。
それでは、さっそく『濃口しょうゆタレ』のレシピについてお伝えしていきます。
🍜濃口しょうゆタレの作り方・これだけは押さえたい3つのポイント
万能な『醤油タレ』を作っていくうえでのポイントを3つにまとめてみました。
Point①: 各々のうまみの相乗効果を最大限に引き出す
Point②: たまり醤油を使うことで時間短縮する
Point③: ごく弱火のとろ火で10分煮る
Point①:うま味の相乗効果とは?
👉📽YouTube 00:30~
うま味といわれる成分は何種類かあり、ラーメン作りで必要なうま味はおおきく4種類です。
・主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸
・主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸
・キノコ類から摂られるグアニル酸
・主に貝を主体とするコハク酸
実はこれはラーメンに限った話ではなく、うま味を重ねることは料理全般に関して言えること。
今回の『濃口しょうゆダレ』は2種の醤油と昆布からくるグルタミン酸・干シイタケのグアニル酸に、2種の醤油(こいくち醤油・たまり醤油)の発酵調味料のうま味、2種の甘味(みりん風調味料・たまり醤油)をプラスします。
Point②:たまり醤油は旨味・甘味・とろみ・独特の風味があります
👉📽YouTube 02:09~
たまり醤油はほぼ100%大豆で作られ風味良くほんのり甘みがあり、色や独特の香りがあるのが特徴です。
たまり醤油は仕込み水が少ないことでとろみがあり、色の濃さから塩分濃度が高めだと思われがちですが、一般的な濃口醤油とほぼ変わりません。
※ちょっとめんどくさいお話しますので、興味ない方はスルーしてください。
塩分濃度に関して、醤油とたまり醤油の塩分濃度は同じという前提で話します。
【#014】醤油タレの作り方では『濃口しょうゆタレ』では使っていない海塩10gが入っており、みりん風調味料が100ccではなく50ccです。
つまり何が言いたいかというと、塩分濃度は薄く甘味も【#014】醤油タレよりも強めに仕上げてあるということです。
Point③:ごく弱火のとろ火で10分煮る
👉📽YouTube 02:56~
各食材のうまみを引き出すにはタレを一度沸騰させ10分だけ煮る必要があります。また、この作業により醤油のカドを取る作用(寝かせは必要なく熟成させなくともすぐに使える)もあります。
ただし、煮込むことでタレの水分が飛んでしまい塩分濃度が濃くなってしまうことを防ぐため、ごくごく弱火で煮込んでください。
沸騰してるかしてないか微妙なライン、たまにタレの水面がポコッとなる程度で充分です。
👇さっそく動画にてチェック!
🍜濃口しょうゆタレの作り方・まずはYouTubeでチェック!
色んな旨味がたっぷり入った『醤油たれ』の作り方をYouTubeで動画をアップしていますのでチェック👍
旨味の宝庫です
今回もうまみ強めな食材をフルに使って僕なりの『濃口醤油たれ』を作りました(´ω`*)↓
濃口しょうゆタレの作り方・時系列
おおまかな手順にはなりますが、基本的には以下の通りで進めていきます。
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STEP1準備①材料の準備(🎈📽YouTube 00:29~)
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STEP2調理①鍋に計量した材料を全部入れる(🎈📽YouTube 01:13~)
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STEP3調理②鍋を火にかける(🎈📽YouTube 02:09~)
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STEP4調理③沸騰したらごくごく弱火にして10分煮る。(動画にある通り、ほんの少しフツフツいう程度のとろ火で煮込んでください)(🎈📽YouTube 02:56~)
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STEP5調理④火を止めて、冷ましながら味を滲みこませる(🎈📽YouTube 03:04~)
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STEP6調理⑤しっかりと冷めたことを確認してから漉す(🎈📽YouTube 03:16~)
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STEP7仕上げ完成です!!(🎈📽YouTube 03:41~)
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ENDおまけ【#070】富山ブラックラーメンの作り方です(🎈📽YouTube 03:48~)
🍜濃口しょうゆタレの作り方・材料の準備
僕の作る『濃口しょうゆタレ』の材料について、なぜその材料を使っているのか説明していきます。
僕個人的な大切な考え方なのですが、主軸としての材料となるもの、副次的に主を支えるもの、最後に奥行として味全体を支えるものという考えで味を作っています。
今回の『濃口しょうゆタレ』でいえば、主=2種の醤油による発酵調味料のうま味、副=昆布・干シイタケ、奥=みりん風調味料とたまり醤油(発酵・甘味)・味の素(先頭から重要な順に並べています)
です。
たれの材料
🍥タレ(動物系)の材料
- なし
🍥タレ(魚介系)の材料
- 昆布・・・切り昆布3枚程度
🍥タレ(香味野菜類)の材料
- 干しシイタケ・・・3つ
調味料あれこれ
- たまり醤油(紀州湯浅醤油)・・・300cc
- ヤマサの新味醤油・・・300cc
- ミツカンほんてり(みりん風調味料)・・・100cc
その他、必要な食材・材料
- なし
🍜濃口しょうゆタレの作り方・まとめ
醤油ダレを作る際に気をつけるポイントは上記で述べました。
【#014】『醤油タレの作り方』ではたれを煮込む必要はありませんでしたが、今回は10分だけ煮込みました。なぜかといわれると言葉で伝えるのは少し難しいのですが、先に結論を言ってしまえば「料理人としての僕の感」です。はい、すみません。
前回の『醤油タレの作り方』では長ネギの青いところが入っていたのがポイントで、あのタレは煮込んでしまうとネギの甘味が出すぎてしまうんですね。そうするとどうなるかというと、雑味のあるタレに仕上がってしまうのです。
その雑味を活かした「店の味」ならいいのですが、僕のYouTubeで色々なラーメンに使う汎用性を考えると煮込まないのがベターチョイスだった。という事情アリ的なものです。
また、塩分濃度の件もあります。
煮込むことで塩分濃度は高まってしまうので本来は煮込まないほうがいいんですが、煮込みをするためにみりん風調味料を50cc追加していたり塩を入れない(塩入れないのには別な理由も…)とか…この辺はちょっとややこしいので言葉で伝えるのが難しい…
それでも気になる方は、何が分からないかを書いたメッセージ下さい。うまく伝えれるように努力します!
<<『醤油タレ』でも伝えましたが、大切な考え方なので再度掲載します。>>
ここからは大切なポイントなので少し長くなります。
うま味の種類は主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸、主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸、キノコ類から摂られるグアニル酸、主に貝を主体とするコハク酸などがあり、これらは同時に使用することでうま味の相乗効果が期待できることがわかっています。
この原理でいえば上記①に関しては正解ということになります。しかし、自分で作って気づいたのは、なんでもかんでも足し算すれば美味しくなるわけではないということでした。
ラーメン作りにはまっていたある日のまかないランチの出来事でした。ラーメンスープはしっかり出来たし、タレにもひき肉を入れて仕込んで、さあ今日は今までで最高の一杯が出来た!って思いながらワクワクしていました。ですが、一口食べてみると味に雑味があって美味しくない。つまり、しっかり丁寧に作ったスープが台無しになったんです。うま味の相乗効果はどこ行った?と疑問でした。
まかないを食べ終えて、何が原因なのか考えました。そこで思い出したんです。
著名な料理人の先輩方が『料理は引き算が大切』と言っていたことを。また”一流の料理人”とは食材のうまさを最大限に引き出せる料理人だということを。
そしてぼくは僕なりに結論を出しました。スープでしっかりと食材の味を引き出すことが出来ていれば、あえてタレに旨味を付加する必要なんてない。
今回作った『濃口しょうゆタレ』は、今後たくさん登場しますよー(*´з`)
🍜濃口しょうゆタレの作り方・あとがき
濃口しょうゆだれを作る上で、動画では伝えきれない注意点などを書いてきました。
このタレは【#070】富山ブラックラーメンのために作ったしょうゆタレです。
本場の富山ブラックのタレは、チャーシューの煮汁を使い続け継ぎ足し続けて濃度を上げ、そのタレをラーメンにも使っていますが、それこそ熟練の技術がいりますので今回は簡単に再現するたれを作りました。
旨味・甘味・とろみ・独特の風味のある「たまり醤油」と「濃口しょうゆ」の発酵調味料の旨味をベースに、昆布のグルタミン酸や干シイタケのグアニル酸をプラスした色の濃ゆいタレです。
うま味の管理は難しいことも多いですが、旨味の種類をしっかり理解していくとは料理全般の技術の向上に役立ちます。
質問やコメントなどはYouTubeのコメント欄に書いていただければ必ず目を通します。
引き続き、動画だけでは伝えきれない細かなことも書いていきますのでブログに遊びに来てください(*´ω`*)
ぜひ『週末』に『ラーメン』作ってみて下さいね(´ω`*)