今日はラーメンに必須な『醤油ダレ』の作り方について説明していきます。
僕の中でのラーメンといえば、”ラーメン=醤油ラーメン”となるのですがみなさんはどんなラーメンが思い浮かぶでしょうか?
どのラーメンにも必ず入る”たれ”。
今回の【ラーメンのたれシリーズ】は、それぞれ何十回も試行錯誤して旨味を高めるために色んな食材を足し算してみたり、はたまた引き算してみたりとトライ&エラーを経て完成させました。
僕が作る”たれ”全般に言えることですが、無駄な食材は組みいれない、流用性のある万能ダレを作るをモットーにレシピつくりに励んでいます。
それでは、苦心して作り上げた”ラーメンのたれシリーズ”第一弾の『しょう油タレ』についてお伝えしていきます。
🍜醤油タレの作り方・これだけは押さえたい3つのポイント
『しょうゆダレ』を作っていくうえでのポイントを3つにまとめてみました。
Point①: うま味の層を重ねる
Point②: 乾物のうま味をしっかりと引き出すこと
Point③: タレを火にかけて煮込まない
Point①:うま味を重ねるということは?
👉📽YouTube 00:55~
うま味といわれる成分は何種類かあり、ラーメン作りで必要なうま味はおおきく4種類です。
・主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸
・主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸
・キノコ類から摂られるグアニル酸
・主に貝を主体とするコハク酸
実はこれはラーメンに限った話ではなく、うま味を重ねることは料理全般に関して言えること。
今回の醤油ダレは上記3つのグルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸を主軸に、甘味とミネラルをプラスします。
Point②:グルタミン酸の『昆布』とグアニル酸の『干シイタケ』
👉📽YouTube 02:57~
乾物として加える昆布と干しシイタケは調味料と同時に火を入れます。
本来は水に戻してから使う2つの食材ですが、旨味を最大限にタレの中へ移すため冷めるときに旨味が溶けだすような調理法になっています。
Point③:煮込んではいけない!その理由
👉📽YouTube 02:12~
タレは一度沸騰させますが、その後煮込むことはしません。詳しくは下記【コツとヒントと注意点】で述べますが、一言でいえば煮込む必要がないからです。
煮込むことでタレの水分が飛んでしまい、それが原因で塩分濃度が濃くなってしまいます。完成するラーメンの味にばらつきが出来てしまうのが理由です。
一度沸かして冷めていく過程でタレが完成する、これがベストです。
👇さっそく動画にてチェック!
🍜醤油タレの作り方・まずは動画でチェック!
『しょうゆダレ』の作り方をYouTubeで動画をアップしていますのでチェック👍
必要最低限の『うま味の調整』で作りました
今回は下記材料で僕なりの『しょうゆダレ』を作りました(´ω`*)↓
醤油タレの作り方・時系列
おおまかな手順にはなりますが、基本的には以下の通りで進めていきます。
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STEP1準備①材料の準備と野菜の切り出し(🎈📽YouTube 00:24~)
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STEP2調理①鍋に香味野菜類と調味液を入れる(🎈📽YouTube 00:55~)
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STEP3調理②鍋を火にかけ一度沸騰させる ※吹きこぼれ注意!!(🎈📽YouTube 02:12~)
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STEP4調理③火を止めて、冷ましながら味を滲みこませる(🎈📽YouTube 02:57~)
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STEP5調理④しっかりと冷めたことを確認してから漉す(🎈📽YouTube 03:38~)
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STEP6仕上げ完成です!!(🎈📽YouTube 03:58~)
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ENDおまけ動画醤油ラーメンの作り方の動画です(^^♪(🎈📽YouTube 04:20~)
🍜醤油タレの作り方・材料の準備
僕の作る『しょうゆダレ』の材料について、なぜその材料を使っているのか説明していきます。
僕個人的な大切な考え方なのですが、主軸としての材料となるもの、副次的に主を支えるもの、最後に奥行として味全体を支えるものという考えで味を作っています。
今回の『しょうゆダレ』でいえば、主=醤油、副=ミネラル含んだ塩、奥=昆布・干しいたけ・長ネギの青いところ・みりん風調味料・味の素(先頭から重要な順に並べています)
といったところでしょうか。みりん風調味料と長ネギの青いところは、奥行きを広げてくれる柔らかい甘味を付加してくれます。
たれの材料
🍥タレ(動物系)の材料
- なし
🍥タレ(魚介系)の材料
- 昆布・・・3切れ
🍥タレ(香味野菜類)の材料
- 長ネギの青いところ・・・1本分
- 干しいたけ・・・3つ
調味料あれこれ
- ヤマサの新味醤油 ・・・500cc
- ミツカンほんてり(みりん風調味料)・・・50cc
- 海の粗塩(ミネラルを豊富に含む塩)・・・10g
- 味の素(うま味調味料) ・・・10g
その他、必要な食材・材料
- なし
🍜醤油タレの作り方・まとめ
醤油ダレを作る際に気をつけるポイントは上記で述べました。
ラーメンのタレを作る上でコツと言いますか、これは不必要だなと思うことを述べたいと思います。
僕は20年料理人としてのキャリアはありますが、ラーメン作りに関しては初心者でした。そこでラーメンを作るためにたくさん本を読んで勉強をしたのですが、タレを作る際に豚の挽肉や鶏ガラなど入れて煮込んで作っていたりするんですね。
この作業、あえてはっきり言いますが必要ありません。理由は二つありまして、
- そもそも、大前提としてしっかりとしたスープで割ることを目的に作っているので、タレにプラスしてうま味(ここでいう旨味は豚・鶏など動物系のうま味)を付加するという作業自体がほとんど意味を成しません。下記で述べますが、むしろ雑味の原因となります。お湯で割るなら話は別なのですが(^-^;
- もう一ついうとすれば、タレを煮込むことで仕上がりの水分量が変わってしまいます。水分量が変わるということは、塩分濃度も変わるということ。いつも同じ塩分濃度で仕上げることができないと味にばらつきが出てしまいます。
※ただし、プロに限れば僕が言うことは何もありませんのであしからず!
もちろん一度自分できちんと作って・試して・味もチェックした結果ですが、僕個人的な意見なので異論は認めます。
《ここからは大切なポイントなので少し長くなります。》
うま味の種類は主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸、主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸、キノコ類から摂られるグアニル酸、主に貝を主体とするコハク酸などがあり、これらは同時に使用することでうま味の相乗効果が期待できることがわかっています。
この原理でいえば上記①に関しては正解ということになります。しかし、自分で作って気づいたのは、なんでもかんでも足し算すれば美味しくなるわけではないということでした。
ラーメン作りにはまっていたある日のまかないランチの出来事でした。ラーメンスープはしっかり出来たし、タレにもひき肉を入れて仕込んで、さあ今日は今までで最高の一杯が出来た!って思いながらワクワクしていました。ですが、一口食べてみると味に雑味があって美味しくない。つまり、しっかり丁寧に作ったスープが台無しになったんです。うま味の相乗効果はどこ行った?と疑問でした。
まかないを食べ終えて、何が原因なのか考えました。そこで思い出したんです。
著名な料理人の先輩方が『料理は引き算が大切』と言っていたことを。また”一流の料理人”とは食材のうまさを最大限に引き出せる料理人だということを。
そしてぼくは僕なりに結論を出しました。スープでしっかりと食材の味を引き出すことが出来ていれば、あえてタレに旨味を付加する必要なんてない。
また、②に関して補足したいと思います。
みなさん、いつも行くラーメン屋さんで”今日は味がうすくかった”や”今日は味がちょうどよくうまかった”などの経験ってありませんか?
これは上記②で述べた理由で水分調整が雑なことで塩分濃度が変わっているからです。さらに、チャーシューの煮汁など足していればさらに管理は複雑になりますので、より一層味にばらつきが出てしまいます。
その時々で味にばらつきがあるのは嫌ですよね。
結論として、スープで素材の味をしっかり引き出していれば”材料はシンプル”に”タレで煮込むことはしない”ことが大切ということです。
ここはもうちょっと踏み込みますので無視してもかまいません!!プロになりたい人向けにアドバイスです。
タレに魚の旨味をプラスするために節系をプラスする場合や貝のうま味(貝はうま味がより引き出される冷凍のモノがおススメ)をプラスしたいとき、やはり煮込む作業が必要不可欠です。その際は必ず塩分濃度計を用いて仕上げの塩分濃度をしっかりと管理されることをおススメします。
今回作ったしょうゆタレは、今後たくさん登場しますよー(*´з`)
🍜醤油タレの作り方・あとがき
醤油タレを作る上で、動画では伝えきれない注意点などを書いてきました。
今後作る【醤油をベースとしたラーメン】には、この『醤油ダレ』を使用していきます。本当に万能なマルチプレーヤーなしょう油ダレです。
うま味の管理は難しいことも多いですが、旨味の種類をしっかり理解していくとは料理全般の技術の向上に役立ちます。
質問やコメントなどはYouTubeのコメント欄に書いていただければ必ず目を通します。
引き続き、動画だけでは伝えきれない細かなことも書いていきますのでブログに遊びに来てください(*´ω`*)
ぜひ『週末』に『ラーメン』作ってみて下さいね(´ω`*)