今日はスープの味がダイレクトに伝わるがゆえに一番神経を使う『塩タレ・改良版』の作り方のについて説明していきます。
『塩たれ』というくらいなのでメイン食材である塩が大切なことはお分かりいただけると思いますが、それに付加していく旨味の形成が肝になります。
ラーメンのたれシリーズ第6弾となりますが、それぞれ試行錯誤して作り上げたレシピです。ぜひご活用いただければうれしい限りです(^^♪
しおらーめん用のタレはスープの良さを引き出すことが大切。これは醤油ラーメンのタレでも同じことを言いましたが、僕の作るレシピは無駄な食材は組みいれない、流用性のある万能ダレを作るをモットーにレシピつくりに励んでいます。
それでは、さっそく『塩だれ・改良版』のレシピについてお伝えしていきます。
🍜しおタレ(改)の作り方・これだけは押さえたい3つのポイント
万能な『塩タレ』を作っていくうえでのポイントを3つにまとめてみました。
Point①: あっさり仕上げるためにこそ、うまみの相乗効果を最大限に引き出す
Point②: ホタテの旨味を足します
Point③: ごく弱火のとろ火で10分煮る
Point①:うま味の相乗効果とは?
👉📽YouTube 00:24~
うま味といわれる成分は何種類かあり、ラーメン作りで必要なうま味はおおきく4種類です。
・主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸
・主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸
・キノコ類から摂られるグアニル酸
・主に貝を主体とするコハク酸
実はこれはラーメンに限った話ではなく、うま味を重ねることは料理全般に関して言えること。
今回のしおダレは、上記4つの要素である、昆布のグルタミン酸・5種の魚介節のイノシン酸・干シイタケのグアニル酸・ホタテのコハク酸を主軸に、『熊本の赤酒(日本酒)の発酵調味料のうま味』と『赤酒特有の甘味』と『海塩のミネラル』をプラスします。
Point②:塩たれならでは・貝の旨味をプラス
👉📽YouTube 01:56~
前回の【#008】塩たれは非公開となりましたが、今回新たにプラスしたのが『ホタテの旨味のコハク酸』です。僕も作る前まで知らなかったのですが、ホタテ貝にはアサリの10倍もコハク酸が含まれるようです。
💡参考にしました:ホタテの豆知識|北海スキャロップ
塩たれは料理人にとって腕の見せ所です(僕だけ?)。試行錯誤はたくさんするのですが、満遍なく旨味を複合的に合わせ今回はこのレシピに落ち着きました。
Point③:ごく弱火のとろ火で10分煮る
👉📽YouTube 02:52~
魚節のうまみを引き出すにはタレを一度沸騰させ10分だけ煮る必要があります。また、塩の結晶が大きいのでそれを溶かす意味もあります。
ただし、煮込むことでタレの水分が飛んでしまい塩分濃度が濃くなってしまうことを防ぐため、ごくごく弱火で煮込んでください。
沸騰してるかしてないか微妙なライン、たまにタレの水面がポコッとなる程度で充分です。
👇さっそく動画にてチェック!
🍜しおタレ(改)の作り方・まずはYouTubeでチェック!
色んな旨味がたっぷり入った『しおたれ』の作り方をYouTubeで動画をアップしていますのでチェック👍
旨味の宝庫です
今回もうまみ強めな食材をフルに使って僕なりの『塩ダレ』を作りました(´ω`*)↓
しおタレ・改の作り方・時系列
おおまかな手順にはなりますが、基本的には以下の通りで進めていきます。
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STEP1準備①昆布と椎茸を水で戻す(🎈📽YouTube 00:29~)
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STEP2準備②材料の準備(🎈📽YouTube 00:49~)
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STEP3調理①戻した昆布と椎茸のスープに全材料を入れ火にかける(🎈📽YouTube 01:56~)
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STEP4調理②沸騰前に昆布を引き上げる(🎈📽YouTube 02:38~)
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STEP5調理③沸騰したら花かつおを入れ、弱火にして10分煮る。(動画にある通り、ほんの少しフツフツいう程度のとろ火で煮込んでください)(🎈📽YouTube 02:52~)
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STEP6調理④火を止めて、冷ましながら味を滲みこませる(🎈📽YouTube 03:28~)
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STEP7調理⑤しっかりと冷めたことを確認してから漉す(🎈📽YouTube 03:35~)
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STEP8仕上げ完成です!!(🎈📽YouTube 04:22~)
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ENDおまけ漉した材料を使ってふりかけの作り方の動画です(^^♪(🎈📽YouTube 04:33~)
🍜しおタレ(改)の作り方・材料の準備
僕の作る『塩ダレ』の材料について、なぜその材料を使っているのか説明していきます。
僕個人的な大切な考え方なのですが、主軸としての材料となるもの、副次的に主を支えるもの、最後に奥行として味全体を支えるものという考えで味を作っています。
今回の『塩ダレ』でいえば、主=ミネラルを含む海塩、副=昆布・干シイタケ・ホタテ貝・4種の厚削り節・花かつを節、奥=熊本の赤酒(発酵・甘味)・味の素(先頭から重要な順に並べています)
です。
たれの材料
🍥タレ(動物系)の材料
- なし
🍥タレ(魚介系)の材料
- ホタテの水煮缶・・・1缶(120g)
- 昆布・・・切り昆布3枚程度
- 花かつを節・・・10g
- 『鰹節のカネイ』の鯖節・鯵節・宗田鰹節・鰯の煮干しの厚削り節ミックス・・・20g
🍥タレ(香味野菜類)の材料
- 干しシイタケ・・・3つ
調味料あれこれ
- 海の粗塩(ミネラルを豊富に含む塩)・・・100g
- 熊本の赤酒(日本酒)・・・100cc
- 味の素(うま味調味料)・・・10g
その他、必要な食材・材料
- 水・・・500cc
🍜しおタレ(改)の作り方・まとめ
塩ダレを作る際に気をつけるポイントは上記で述べました。
『醤油タレの作り方』ではたれを煮込む必要はありませんでしたが、今回は別です。なぜなら、魚の旨味をプラスするために鰹節・鯖節・鯵節・宗田鰹節・鰯の煮干しの節系をプラスしていますので10分程度ですが少し煮込む必要があります。
本来厚削り節はぐらぐらと泳がせながら旨味を引き出すのが大切なポイントなのですが、今回はタレの仕込みなので塩分濃度の関係上その調理法は使うわけにはいきません。
今回は塩だれに旨味をしっかりと移すので、じっくり10分煮出す+余熱でさらにじっくり引き出すという手法を取り入れています。僕オリジナルですがバッチリうまいタレが出来あがります( *´艸`)
【魚の厚削り節で出汁のスープを取る場合】
本来厚めに削られた節のうまみを引き出すには、沸騰したお湯に厚削り節を入れグラグラと煮立たせてうまみを引き出します。
10分程度したら、弱火にして灰汁を取りながら1時間ほど煮込めば魚介の旨味ばっちりな魚介スープの完成です。
<<『醤油タレ』でも伝えましたが、大切な考え方なので再度掲載します。>>
ここからは大切なポイントなので少し長くなります。
うま味の種類は主に野菜や昆布・発酵調味料からなるグルタミン酸、主に動物系(魚含む)の食材からなるイノシン酸、キノコ類から摂られるグアニル酸、主に貝を主体とするコハク酸などがあり、これらは同時に使用することでうま味の相乗効果が期待できることがわかっています。
この原理でいえば上記①に関しては正解ということになります。しかし、自分で作って気づいたのは、なんでもかんでも足し算すれば美味しくなるわけではないということでした。
ラーメン作りにはまっていたある日のまかないランチの出来事でした。ラーメンスープはしっかり出来たし、タレにもひき肉を入れて仕込んで、さあ今日は今までで最高の一杯が出来た!って思いながらワクワクしていました。ですが、一口食べてみると味に雑味があって美味しくない。つまり、しっかり丁寧に作ったスープが台無しになったんです。うま味の相乗効果はどこ行った?と疑問でした。
まかないを食べ終えて、何が原因なのか考えました。そこで思い出したんです。
著名な料理人の先輩方が『料理は引き算が大切』と言っていたことを。また”一流の料理人”とは食材のうまさを最大限に引き出せる料理人だということを。
そしてぼくは僕なりに結論を出しました。スープでしっかりと食材の味を引き出すことが出来ていれば、あえてタレに旨味を付加する必要なんてない。
今回作った塩タレは、今後たくさん登場しますよー(*´з`)
🍜しおタレ(改)の作り方・あとがき
塩だれを作る上で、動画では伝えきれない注意点などを書いてきました。
今後の【塩をベースとしたラーメン】には、この『しおダレ』を多用していきます。
イタリアシチリア産の海のミネラルをそのままたっぷりと含んだ甘みのある塩をベースに、昆布のグルタミン酸や干シイタケのグアニル酸をプラス。また、5種の魚介のうま味イノシン酸をたっぷりと使った自慢の塩たれ。
うま味の管理は難しいことも多いですが、旨味の種類をしっかり理解していくとは料理全般の技術の向上に役立ちます。
質問やコメントなどはYouTubeのコメント欄に書いていただければ必ず目を通します。
引き続き、動画だけでは伝えきれない細かなことも書いていきますのでブログに遊びに来てください(*´ω`*)
ぜひ『週末』に『ラーメン』作ってみて下さいね(´ω`*)