ラーメンにおいての3大要素【スープ・トッピング・麺】の一つである『麺』。
『かん水』を使った中華麺は、スープに独特の香りを与えてラーメンという料理を完成させてくれるラーメンにとって非常に大切な要素となります。
中華麺には『太麺から細麺』×『ちぢれ麺やストレート麺』など、組み合わせればさまざまな種類がありますが、名のある有名店やご当地ラーメンはそれぞれベストマッチングな相性の麺を使用しています。
同じスープでも、麺によってガラリと印象が変わります。
この記事では、僕が考える『中華麺』についての考え方や麺を作らない理由について書いてみたいと思います。
ラーメンにおける中華麺の重要性について
麺がなければラーメンじゃない
そもそもラーメンとは、鶏がらや豚のゲンコツなどの本来捨てるべき食材を使って出汁を取り、醤油や塩・味噌などで味付けしたスープへ麺を合わせた一品料理です。
麺がなければただのスープ。そうなんです、スープ料理の派生なんですね。
事実、欧州ではアジア人のようにラーメンはサラッと食べるものでなく、会話を楽しみながら食事を楽しむようにゆっくりと味わって食べられています。また、ラーメン文化の無い欧州や米国ではスープ料理の一種ととらえられており、麺をススル(音を立てる)ことはいまだにマナー違反として認識されています。
中華麺独特の香りを醸す『かん水』の重要性
スープ料理に麺を入れることによって完成する『ラーメン』という料理ですが、麺なら何でもいいとはいきません。
パスタやうどん、はたまた蕎麦など麺の種類はたくさんありますが、どの麺を入れても『ラーメン』にはなりません。
なぜでしょうか、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
それは『かん水』というアルカリ塩水溶液を麺の製造工程に練り込むことで中華麺特有の麺の風味、感触、色合いが生まれます。味や風味だけでなく、食感(コシや弾力性)も増すんですね。
💡参考にしました:「かんすい」とは何ですか?|日清食品
僕がYouTubeの動画内で中華麺を作らない3つの理由
さて、そんなラーメンを作る上で大切な要素である『麺』をなぜ自作しないのかという疑問についてお答えしたいと思います。
【週末ラーメン】をキーワードにしているから
ぼくのYouTube動画やこのブログのコンセプトは【週末ラーメン】です。
ただでさえ時間のかかるラーメン。そうなると、少しでも時短になるように考えなければなりません。ラーメンを構成する『スープ・麺・トッピング』のうち、どれが一番大切かと言われれば、それは圧倒的に『スープ』です。
スープに時間がかかるとするなら、どうしても製麺は外さなければと思います。時間短縮以外にも大きな理由として、家での製麺には広いキッチンと製麺機が必要です。
狭いキッチンでの製麺作業は粉が舞って汚れてしまいますし、麺を伸ばすにも広い場所がないとうまくいきません。都心部にお住まいの方には、なかなか簡単には解決できない問題だと思います。
さらに懸念点は、製麺機は製麺以外での使用用途がないので汎用性がないこともおススメしにくい理由の一つです。
週末2日のうち一日でもいいから本格的なラーメンを作ってもらいたい。いろいろ考えた結果、製麺作業はひとまず置いておいて『スープは本格的に作るが、麺は市販の麺で作る』というのが僕の出した結論でした。
それに製麺技術も素晴らしいという理由からでもあります↓
製麺所の方のプロ意識の高さ
これはあるテレビ番組を見たことがきっかけです。
有名店の一つである東京・お茶の水が発祥のつけ麺『つじ田』の店主が、これまた有名な製麺所の『三河屋製麺』と麺の共同開発を行い完成までを追った番組でした。
何より驚いたのは、ラーメン店ではなく麺が主体の『つけ麺』のパイオニア的名店が製麺所に麺を発注していたことです。
もちろん事情があったことは簡単に想定できます。店舗展開が進むうえで自店での製麺はそれぞれの職人の技術差ができてしまい結果的にお客様に迷惑がかかるという、ジレンマの上での決断ではあったと思います。
ですが、そこで見た店主と製麺所のプロ意識の高さは言うまでもありませんでしたね。
ちなみに、ご紹介した『三河屋製麺』は数多くの有名店の製麺を担っていることで有名な製麺会社です。みなさんも麺箱で名前を見たことある人も多いんじゃないでしょうか?
よくよく考えれば、日本3大ラーメンである「札幌味噌ラーメン」の麺は有名な『西山製麺』製だったり、「喜多方ラーメン」の多加水麺も地元の各製麺所が、「博多とんこつラーメン」も自家製麺は少ないですよね。そうそう、「家系ラーメン」も『酒井製麺』製の中太ストレート麺ですね。
市販の麺のクオリティ
僕も飲食業界で働いてすでに約20年、プロ意識を持って仕事に取り組んでいます。
世の中には何でも『自作が至高』という風潮があるように感じますが、僕は以外にも否定的な意見です。
なぜなら、既製品であれ何であれ、そこにいるプロが一生懸命試行錯誤した結果が商品として並んでいます。もし、その商品が認められなければ淘汰されるのは市場原理からしても当然なことで、支持されているから商品は世に出回り継続して販売されています。
僕は上記のテレビ番組を見たこともあり、市販の麺を使うことを決意しました。また、その方が家庭で作ってもらいやすいということも考えた結果です。
何よりスーパーの麺でも十分に美味しいですから( *´艸`)
どうでもいいけど大切なこと(プロの方向けに)
最後にプロの方へ一つ付け加えさせてください。
僕は約20年料理の仕事についていますが、今までで3回『ギックリ腰』を経験しています。料理は重労働な肉体労働の代表的職業です。
現在は趣味の筋トレを継続して行っているので以前より強くはなりましたが、あの辛さは忘れることができません…
ただでさえ拘束時間の長い飲食業で、麺打ちは体力との戦いでもありますが腰痛との戦いでもあります。そうです、もうなりたくないんです。トイレにも這いつくばって行かなければならないほどの苦痛を伴う『ギックリ腰』だけは…
確かに自家製麺は原価は安くなります。ですが、プロの製麺所の職人さんたちをなめてはいけません。プロの職人さんへ対する正当な対価とともに、自分の時間と健康を捨てていませんか?
時間はお金で買えますよ!!
僕がYouTubeの動画内で中華麺を作らない3つの理由・まとめ
僕がラーメンを作る上で麺を自作しない3つの理由について書いてみました。
製麺所の方のプロ意識の高さと柔軟性にはびっくりしました。自作したことがある方は分かると思いますが、製麺は想像以上に大変な作業です。また、長年の経験がなくてはおいしい麺を打つには相当時間がかかることでしょう。
僕は自分でお店を持ちたかったのでいろいろと調べました。そして、自分のお店を持てたときには身体と相談した上で製麺所の麺を使用するつもりでした。今回、YouTubeやブログで発信する上でその経験が活きたように思います。
各ラーメンに合う麺は、色々と考慮したうえで選んでいます。スーパーで手に入るものはそれで、そうでないものは別記事にて紹介しています。いろいろと試して、ラーメン作りを一緒に楽しんでいきましょう(*´з`)