今回は、福岡県久留米市を中心に作られる濃厚なトンコツラーメンの『久留米ラーメン』を作りました。
豚骨を「継ぎ足し」ながら作られるスープは「呼び戻しスープ」ともいわれ、非常に濃厚でトンコツの香りも強めです。
久留米のラーメンはあっさりスープの『食堂系』や濃厚なスープの『国道系』もあり、その多様な豚骨スープは九州(鹿児島除く)・山口地方全県のラーメンにも影響を与えた、豚骨ラーメンの元祖ともいわれています。
今回は後者にあたる『国道系』の濃厚豚骨で作る久留米ラーメンを作ります。
今回のポイントは
- ゼラチン質たっぷりな豚足(+豚ウデ肉)をベースに
- ゲンコツを継ぎ足して灰汁を取らずに仕上げる香りの強い濃厚な豚骨スープ
- 豚骨ラーメン用の塩タレと低加水ストレート麺で仕上げます
では、早速『久留米豚骨ラーメン』の作り方を見ていきましょう!
🍜久留米ラーメン・これだけは押さえたい3つのポイント
『久留米豚骨ラーメン』を作っていくうえでのポイントを3つにまとめてみました。
Point①: ”仕込み時”も”継ぎ足し時”も灰汁抜きは不要です
Point②: 圧力鍋を使えば半分の時間で作れます
Point③: スープを濃厚にするための最後のひと手間
Point①:トンコツ臭が必須!あく抜きはしてはいけない!!
👉📽YouTube 01:49~
基本の豚骨ラーメンでは、まずスープの材料(この時は豚のゲンコツ)を沸騰させて20分ほど下茹でして灰汁抜きをします。この下処理を行うことで、独特の豚臭さはほぼほぼ取り除かれます。
ですが、今回は豚の臭みを感じるスープにしたかったので敢えて下茹ではしていません。また、アクも一切取りません。こうすることで豚のいい香り(人によっては臭い(笑))を残した濃厚なスープを作ることが出来ます。
継ぎ足し(呼び戻し)のスープは、その強烈な香りだけでなく旨味も強いことがデータとして残っています。
Wikipediaによると、”スープ100グラム中のうま味成分(遊離グルタミン酸)の含有量は、一般的な「取り切り」で作られたスープは6ミリグラムなのに対し、「継ぎ足し」で作る豚骨スープには17ミリグラムと2.8倍多かった”ということです。
”豚の頭”や”げんこつ”を使うともっと臭いがきつくなります。
Point②:圧倒的に違いアリ!圧力鍋は必要不可欠
👉📽YouTube 01:49~
家でラーメンを作るには圧力鍋を活用して時短で作っていくことが大切です。【#021】基本の豚骨ラーメンの作り方では、圧力鍋を使わない方法(約8時間かかる)をご紹介していますが、時間もガス代もかかりますし、蒸発した水分をこまめに足す必要があるので管理がとても大変です。
それに比べて圧力鍋を使うと一度セットしてしまえばあっという間にスープを作ることが出来ます。
残念ながら僕が使っていた「ティファールの圧力鍋」は廃盤となってしまいましたが、家庭用で使うには程よい大きさでIH対応・容量10Lの『 ワンダーシェフの【業務用】圧力鍋10L 』です。圧力をかけなければ普通の大きい鍋としても使えますし、低温調理するときのコンテナの代用としても利用可能です。
『大は小を兼ねる』一家に一台・所有していると何かと便利なおすすめの鍋です!
Point③:最後の仕上げは大切です
👉📽YouTube 04:06~
そもそも豚骨スープが白濁したのは『あるラーメン店主が目を離した隙に火加減が強まりスープが白濁してしまった。試しにその乳白色に濁ってしまったスープを飲んでみると、あら不思議これが信じられないくらいおいしかった』のが始まりのようです。
圧力鍋で豚骨スープを作るときは、圧力をかけただけではスープは完全に乳化していません。圧力をかけ終わりふたを開けたら、30分ほどグツグツさせて煮込みながらスープを乳化させる必要があります。
コトコト煮るだけでは乳化しません。動画内のようにボコボコとさせながら火加減に気をつけながら煮込んでいきましょう。
👇さっそく動画にてチェック!
🍜久留米ラーメン・まずはYouTubeでチェック!
継ぎ足し(呼び戻し)スープが特徴の『久留米豚骨ラーメン』の作り方をYouTubeで動画をアップしていますのでチェック👍
圧力鍋を使えば手間が半分・時間も半分
独特のトンコツ臭はお好きですか?(´ω`*)↓
スープの作り方・時系列
おおまかな手順にはなりますが、基本的には以下の通りで進めていきます。
-
STEP1準備①材料の準備(🎈📽YouTube 00:35~)
-
STEP2調理①圧力鍋に材料を入れます(🎈📽YouTube 00:46~)
-
STEP3調理②圧力をかけます(🎈📽YouTube 01:49~)
-
STEP4調理③45分後、チャーシューの肉を取り出して味付けする(🎈📽YouTube 02:09~)
-
STEP5調理④再度圧力をかけ90分煮る(🎈📽YouTube 02:56~)
-
STEP6調理⑤90分後、継ぎ足し(呼び戻し)の豚ゲンコツ・豚足・背脂追加して120分圧力をかけます(🎈📽YouTube 03:11~)
-
STEP6調理⑥120分後、スープを乳化させるために30分グツグツ煮ます(🎈📽YouTube 04:06~)
-
STEP6調理⑦30分後、スープが完成したので漉します(🎈📽YouTube 04:20~)
-
STEP7調理⑧ラーメントッピング具材の準備(🎈📽YouTube 05:11~)
-
STEP8調理⑨麺を茹でる(🎈📽YouTube 06:39~)
-
STEP9盛り付け盛り付けします(🎈📽YouTube 06:54~)
-
STEP10仕上げ完成です!!(🎈📽YouTube 07:37~)
🍜久留米ラーメン・材料の準備
トンコツラーメン、その名の通り『豚骨』を使ってスープを仕上げます。
今回は豚足・豚のゲンコツ・背脂を使用しましたが、豚の頭を使えばもっと臭みの強い豚骨スープが作れます。自宅では豚の頭を使うのは現実的ではないので、ゼラチン質が豊富な豚足とゲンコツをベースにしたスープを作りました。
お好みで豚足→ゲンコツに変えても、初めから豚足+ゲンコツのミックスにしても、しっかりと美味しいスープが作れます。もし混乱してしまう方はレシピ通り作ってみて下さい。
スープの材料
🍥スープ(動物系)の材料
- 豚足 ・・・5本(約2.5kg)
- 豚ウデ肉 ・・・2kg
- 豚足(追加)・・・1本(約0.5kg)
- 豚ゲンコツ ・・・1kg
- 背アブラ ・・・500g
🍥スープ(魚介系)の材料
- なし
🍥スープ(香味野菜類)の材料
- なし
チャーシューの肉の種類
- 豚ウデ肉・・・どこの部位でもいいです
香味油はコレ
- ラード・・・スープに浮いた豚脂
タレはコレ
- 豚骨専用塩タレ・・・【#022】※豚骨ラーメン専用・とんこつ塩だれの作り方
🍜久留米ラーメン・麺の選び方
ベストマッチな麺はコレ!
🍥『細ストレート麺』です
久留米ラーメンの麺は低加水の細ストレート・やわめで、太さでは博多ラーメンよりやや太めです。厳密には『極細』や『細』など違いはあるのでしょうけど、その辺の感覚は個人差もあるのでご愛敬で(*´ω`*)
🍜久留米ラーメン・おすすめなトッピングと香辛料
『久留米豚骨ラーメン』のトッピングです。
- 豚の臭みとベストマッチの”青ネギ”と”紅ショウガ”
- これはなくてはならない”チャーシュー”
- 意外にもきくらげではなく”メンマ”と豚骨ラーメンには珍しい”海苔”
です。
今回チャーシューの肉には豚のウデ肉を使用しましたが、どこの部位でも合います。脂が好きであれば”ばら肉”、サッパリ系が良ければ”ロース”、両方取りしたければ”肩ロース”で作りましょう。
ネギに関しては、万能ねぎでも九条ネギでも、長ネギの青いところでもお好みで。僕は香り強めが好きなので長ネギの青いところをおススメします。また、店舗には卓上に胡麻やにんにくがあるはずです。
おすすめのトッピング
🍥トッピングの材料
- チャーシュー・・・今回は豚ウデ肉使用
- 青ネギ ・・・九条ネギでも万能ねぎでも長ネギの青いとこでも
- メンマ ・・・きくらげでもいいです
- 海苔 ・・・これは久留米ラーメンには必須
- 紅ショウガ ・・・お好みで
- 味玉 ・・・ゆで卵でもいいかも
おすすめの香辛料
🍥香辛料の種類
- 胡麻 ・・・おすすめ度
- おろしにんにく・・・おすすめ度
- 白コショウ ・・・おすすめ度
- 辛子味噌 ・・・おすすめ度
あなたのお好みがあると思いますのでどうぞご自由に…胡麻はあると香ばしさが、白コショウは高貴な香りとピリッとした辛味、辛子味噌は味変に最適です。
ニンニクは言うまでもないですね( *´艸`)
🍜久留米ラーメン・まとめ
『久留米豚骨ラーメン』の動画は見ていただけましたでしょうか?
あらためて特徴を3つにまとめますと、
- 継ぎ足し(呼び戻し)で作る、豚の髄液の臭みの残る”濃厚な豚骨スープ”
- ”とんこつ専用の塩タレ”を使って味付け
- 麺はすぐに茹で上がる”細ストレート麺”
ここを外さなければ自作の『久留米豚骨ラーメン』は完成します。
豚骨ラーメンといえば「博多豚骨ラーメン」と「長浜豚骨ラーメン」とありますが、『久留米豚骨ラーメン』最大の特徴は上記でもお伝えした通りそのスープの取り方にあります。
今回はベースが豚足なのでやや香りは抑え目ですが、初めからゲンコツで灰汁を取らずに煮込むととても強烈なにおいがするかと思います。
換気扇を回すのは必須なことは想像に難くないと思いますが、その香りは換気扇を通ってお隣さんやご近所まで匂いが広がってしまうことは念頭に置いて作ってくださいね( ゚Д゚)
完璧を目指すよりもまずは作ってみることのほうが大切!
せっかくなのでぜひ一度作ってみてYouTubeのコメントに報告ください( *´艸`)
自分で作った『久留米豚骨ラーメン』は、一度食べたらやみつきになりますよー(*´з`)
🍜久留米ラーメン・あとがき
『久留米豚骨ラーメンのつくりかた』に関して、動画では伝えきれない注意点などを書いてきました。
今回は『国道系』と呼ばれる、豚骨ラーメンの中でもより強い旨味と香りの強い『久留米ラーメン』を作りました。
冒頭でも述べたように久留米には『国道系(コッテリめ)』と『食堂系(あっさりめ)』とあります。もちろん一色単にはできませんが、豚骨ラーメンの発祥地としてバリエーションが豊富な豚骨ラーメン屋さんがたくさんあるのは、豚骨好きな僕としてはうらやましいです。
濃度の濃い、時間のかかる久留米の豚骨スープも、圧力鍋にかかればあっという間でしたね。これを圧力鍋なしで作ると考えると・・・
質問やコメントなどはYouTubeのコメント欄に書いていただければ必ず目を通します。
引き続き、動画だけでは伝えきれない細かなことも書いていきますのでブログに遊びに来てください(*´ω`*)
ぜひ『週末』に『ラーメン』作ってみて下さいね(´ω`*)
最高においしかった~ごちそうさまでした(*´з`)